手技じんわりへの軌跡~5K
植木、造園業は3Kならぬ5K(きつい、汚い、危険、高所、高齢化)職場だろうと想像してましたが、まさにその通りでした。そうだと分かっていながらもこの仕事を選んだのには植物の知識はもとより植生についても勉強が出来ると思ったからです。
日本中の山は手入れをされずに密集してひょろひょろの杉と檜の植林だらけになっています。雨が降れば直ぐに山崩れが起きる原因とも言われています。
植林された木々はたとえ大木であっても自然に生えた木のように深く根を張りません。また定期的に間伐をしないと密集したまま葉っぱが生い茂るため地面に太陽光が当たらなくなってしまいます。日が当たらないと他の植物が育たないため、雨が降るたびに地面の土を洗いながしてしまうことで根っこがむき出しになってしまうのです。
私を雇って下さった造園業者の社長は自身で山林の管理も行うプロ中のプロでした。私の目論見は見事に当たり、このような知識をたっぷりと吸収することが出来ました。ところがこの会社は冬の閑散期には石垣組みがメインになります。重機を使える場所だったらよかったのですが、あいにく初めての現場は小さな重機も入らない場所だったので全てが手作業です。
職場で一番の若手且つ素人の私は雑用と資器材の運搬を担当するのですが、私とて60才前のじじいなので体力的にきつい日々が続き、ついには地獄を味わうことになりました。とうとう私は低血糖発作で倒れてしまいました。
一週間ほどお休みを頂き身体が回復したので復職しました。しかし糖尿病を患い治療中の私にはこれ以上ここで働くのは無理だとさとり、この現場を最後に辞めさせて頂きました。
ーーーつづくーーー